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佐野元春&The Coyote Band 2012 Early Summer Tour 沖縄ナムラホール※ネタバレ

※ネタバレあり※





16年ぶり、である。
もうそんなに月日が流れたことに驚く。
自分自身の精神面では、図々しくも
あの頃とあまり変わってないつもりなのだが そういえば
仲間内でいちばん早く結婚した友人の息子は、もう高校生になって
流行りのClubMusicを聴いていたりする。


16年ぶりの元春は、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。
オーディエンスの反応は、どうだろう…
みんな大人になって、控えめになってしまっただろうか。



遅い開演に合わせて、家から出るのもゆっくりにしたら
帰宅ラッシュにぶつかって、ギリギリの会場入りになって焦った。
会社帰りだろうな、という いわゆる”かりゆしウェア”のおにぃさま達
しっかりお化粧をきめておしゃれしているおねぇさま達…
いつものナムラとは ちょっとばかりちがう風景。

ステージから、フロアにむけて少し強めのライトが照射されていて
時折ローディーがチェックするギターの音が聞こえるが
まぶしくて、ほとんどステージ上の動きは見えない。
それでも、手をかざしてライトの光をさけながら
登場の瞬間を見逃すまいとばかりに ステージを見つめている人が多い。
期待の高さがうかがえる光景だ。


自分はというと いつものように上を見上げて
天井の鏡にうつるフロアの人達を眺めたり
ミラーボールを眺めたりしつつ
登場する時はSE変わるよな… 
でも、たまにそのままのBGMでふっと出てくるパターンもあるから油断できないな…
とか考えていたら 後者パターンで ちょっと慌てた。



ステージにまず登場したのは元春の新しい仲間、
The CoyoteBand
”Coyote theme 2012”でフロアを暖める。
スポットを浴び、ギターを掲げて煽る藤田顥への反応も上々だ。


期待が最高潮に高まったところで 真打ち
仕立てのよさそうなスリーピースのスーツに身を包んで
佐野元春が登場!
一礼して ニッコリと顔を上げ、16年ぶりにまず聴かせてくれたのは
『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』
なんとなく、これで始まるといいなぁと思っていたので 嬉しい!
2曲歌い終えると、さすがに暑いようで
ジャケットを脱ぎ、シャツのそでをすこしまくり上げたスタイルになった。
数曲終えたところで、ご挨拶。

『16年ぶりに、この街に来ました。
 今日は、来る事ができなかった分の長い時間を、ギュッと縮めたいと思います。』

 身振りをまじえながら、そう宣言する元春に沸き上がるフロア。
『visitors』のイントロでは、おおっとざわめいたり
『ニュー・エイジ』での " just meaning of life!" からのレスポンスもバッチリで
それを見た元春も、とても嬉しそうに笑っていた。

アコースティックverのレインガールも素敵だった。
こういう、まったく違う魅力を見せてくれるアレンジの旨さはさすがだし
佐野元春LIVEの楽しみの一つでもある。
思わず『すごいなぁ』と口に出してつぶやく。


新しいメンバーのCoyoteBandの事、
そしてアルバムについて語る。

『今、僕たちは新しいアルバムを作っています。
 早ければ…今年の夏か…ん~…
(ちょっとコミカルに、指差し状にした両手を胸の前でクルっと回し)
 来年の頭か…?
(場内が笑いに包まれる様子を観て、ニッコリしながら 両手でガッツポーズを作り)
がんばって作っているので、辛抱強く待っていてください。』
その制作中アルバムからの曲も披露。
これはお得ー!フロアも盛り上がる。


『まだレコードになっていない曲をステージでやるのは、少し緊張しました、でも…
 みんなが熱くこたえてくれたので、ホッとしました。』

なんだか、MCも多めな気がする。
空白の時間を縮めたい という気持ちの現れかもしれない。
中盤。
マイクを手にした元春は ステージを左右に歩き回りながら
言葉を選ぶように、ゆっくり話しだした。

『今、僕は東京に住んでいるんだけど…
 沖縄の 基地の問題と同じように…
 原発の問題の事で とても悩んでいる。』

一瞬、フロアから ああ…というため息のような声があふれた後
同意するかのような拍手が沸いた。

『80年代に書いた曲です。』
そう言って始まったのは、『警告どおり 計画どおり』。
  
  もう不確かじゃいられない
  子供たちが君に聞く
  本当のことを知りたいだけ

まさか20年以上たって尚
この曲が こんなに見合う世界になってしまうなんて。
怒りを帯びたバスドラの重音が足下に響く。
(あれ、もしかして皆フロアで足踏みしてた?)

そこから続いた、『僕にできることは』。
 
  できることは何か、考えてる…
  いつか 君のために
  歴史のために。

この2曲の流れ以外に、震災や原発のことを語ることはなかったけど
十分すぎるほど 元春の想いがとてもよく伝わってきた。
と同時に、私たちへの問いかけでもあるだろう。




盛り上がったまま終盤。
元春がまた話し始める。

『今日、最初のほうで…16年の時間を縮めるって言ったよね。
 …でも、そんなこと出来るのかな…?』

出来るー! できるよぉーー! という、主に男性の叫びを聞きつつ もう一度ゆっくりと言う。
『でも、そんなこと、本当にできるのかなあ…?』

歓声で応えるフロアの様子を確かめて ニコッと笑うとこう続けた。
『今夜、みんなと一緒にそれを証明したいんだ。この沖縄のみんなと、一緒に証明したい。』

あぁ、この言い回しが なんだか とっても元春らしくて格好良いなあー。
なんて思って ちょっとニヤリとしてしまう。

『一緒に歌ってほしい。
 80年代にはハートランドとこの曲を演った。
 90年代には、ホーボーキングバンドとこの曲を演った。
そして今日、CoyoteBandと一緒に、この曲を演ります。』

曲名はもう、言わなくてもみんな分かってる。
SOMEDAY!
みんな腕を思い切りあげて、大声で歌う。
当然ながらこの日いちばんの盛り上がり。
もしかして…これラスト?と思ったのもつかの間

『みんな、ちょっとセンチになってない?…ロックンロール!』

そう叫んで、そこからさらに
ダウンタウンボーイ、アンジェリーナ!


ステージを観ていて、ずっと思っていた。
16年たっても
元春は元春のままだ。
変わったのは銀髪になったことだけ
軽やかなステップも、唄声も 身のこなし方も、
”佐野元春” そのものだ。

そしてフロアにいる皆も
むしろ16年前よりも激しいんじゃないかと思うほどの熱さ。
何回、『もとはるぅーーっ!!』って叫べば気がすむんですか、兄さん方(笑)
ステージとフロアが相思相愛な感じ。
時間を超えて、こんなにいいLIVEになったことが本当に素敵だ。


2回目のアンコールにも応えて、ステージに戻ってきてくれた元春も
こんな風に言っていた。

『久しぶりに来て…ここからみんなを観ていると、
 かわったことと かわらないこと 2つのことがよく見えてきた。
 時がたって…
 男性はちょっと…(無言で、頭をつるっとなでる仕草。場内、爆笑)
 女性の皆さんは…お化粧がとても上手になった。

 でも今夜、こうしてここに集まったことには何か意味があるはずなんだ。
 時がたっても、変わらないことがきっとある…
 これはそんな想いをこめた歌です。』

 最後の曲は『ヤングブラッズ』。
  Let's stay together、ひとりだけの夜にさよなら
 今日のLIVEに相応しいラスト。


最後はCoyoteBand全員でフロントに並び、手をつないで御礼。
元春の”ちょっと面白い話”もありつつ…
シメのごあいさつ。

『どうして、16年も来なかったのか…考えていた(頭に指をあてながら渋い顔で)
 去年も、一昨年も来てよかったのに…
(歓声が沸くフロアにニッコリして)
 新しいアルバムが出来たら、きっとまたこの街に来ます!
 どうもありがとう!』


新しい約束をして、佐野元春&The CoyoteBandはステージを後にした。
場内の灯りがつき、ふりかえってみると
楽しかった、かっこよかった~!と盛り上がっている人
名残惜しそうに、ステージを見つめたままの人 様々だけど
みんな、本当に 充実した嬉しそうな笑顔でいっぱい。

2時間ほどだったけど、私の中では物足りなさもまったく無く
予想を遥かに上回る、熱いLIVEだった。

また、来年。
ここで会えますように。

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